■RZ350R ツインラジエター&TMX38φキャブキット製作
・このツインラジエターは、当店が開店した当初からの常連様であるS氏のRZ250R改350Rを、ポート加工・ 1次圧縮比アップ・クランク加工などのチューニングを施した際に、オーナー様の常用回転域が非常に高い事も手伝って、熱量がアップしてしまい、『ラジエターをどうせ変えるなら一味変わったモノにしよう。でもラウンドコアは嫌いだ!』というわがままな所からスタートしました。
ワンオフ製作の好きな私(サネカタ)からすると、ボルトオンパーツではないモノを作るのは大好きなのでわがままな注文はもちろん大歓迎でした!
ツインにするコアのサイズなどを含めて考慮・選択してから、ウォーターパイプの取り回しや取り出しの向きなどを頭の中で描いてから製作に入ります。
僕は昔から最先端技術が満載のワークスマシンが大好きなので、ちょっとだけ参考にさせてもらいながらもかなりのフルカスタム&チューニングがしてあるRZ-R全体の雰囲気を壊さないように、僕なりに考慮したつもりです。
塗装も施し、出来上がったツインラジエターは熱量も以前と同じ位の条件下では、約10~15℃下がり、オーナー様も大満足げな様子でした。
ツインラジエターキットの製作は、出来上がりがカッコよくて機能的なので大好きなのですが、薄い材料でロウ付けによって製作されている純正ラジエターには、加工に相当な気力・労力・アイディアなどが必要ですので、出来上がった時には嬉しい反面、疲れでグッタリしたのを覚えています。
・続いてミクニTMX38φキャブレターキットの製作です。
以前装着していたVMキャブレターが古くて、リペアパーツの供給に少し不安な感じがしてきたのと、『もっとパワーが欲しい!!でもオイルポンプをちゃんと生かして欲しい!』という、またまたわがままなS氏のオーダーにより、販売されていない(できない?)TMX38φキットを製作しました。
丸から長方形に抜けていく穴のマニホールドアダプターのワンオフ製作、ストロークの足りないワイヤー中間ジョイントの加工&製作、大きな口径に合わせたリードバルブの交換&加工など、製作を進めていくごとに色々な難題・問題がありました。
しかし、試行錯誤を繰り返して何とかちゃんとしたモノが出来上がって、キャブのセッティングを進めていくうちに『こりゃ~異常なまでに速いし、アクセルも軽~い!キャブのセットが決まったら相当楽しいゾ~!』私は嬉しくなりメットの中でニヤニヤしたのを覚えています・・・。
何とかセットが決まり全開っ!全開っ!で開けていくと、なんとバカっ速いRZ-Rなんだ!今までにRZ系のチューニングはかなりしたつもりなのですが、どのハイチューンなRZ-Rより速いのは間違いない。
オーナー様も乗ってみて大変に満足されていましたが、またもやチタンチャンバーやらワンオフオイルタンクやら、何だか大変そう(楽しそう?)な希望を言っていました・・・。
ちょっと聞こえないふりをしてしまった僕でした(笑)。
・ちなみにRキャリパーサポートも当店にて製作致しました。Rキャリパーが上側にあり、トルクロッドの取り付けは下側と、ちょっとレトロ風でイイでしょ?Rブレーキディスクの穴あけも、常にパッドが削られてキレイな面が出るので効きますよ!